「骨折をして寝たきりになる高齢者の4~5人に一人が、1年以内に亡くなる」という衝撃のデータがあります。
これは一体どういうことなのでしょうか。
数か月前にNHKの人体の不思議というドキュメンタリー番組が、その解答となる驚きの内容でしたのでこちらにまとめてみました。
骨からは「オステオカルシン」や、「オステオポンチン」というホルモンが出ています。
これはどんな時に分泌されるかというと、骨に衝撃が加わった時です。
いわゆる、歩いたり、走ったり、ジャンプしたりする時です。
さて、これらのホルモンは体内でどんな働きをしているのでしょうか。
これらのホルモンは血管を通って様々な臓器に運ばれ、いろいろな働きをしています。
例えば、脳に届くと「記憶力をアップして!」と指令を出します。
また筋肉に運ばれると「筋力をアップして!」と指令を出します。
免疫細胞に届くと「免疫細胞を増やして!」と指令を出し病気になりにくい丈夫な体を作ります。
精巣に届けば「精子をたくさん作って!」と指令をだします。
骨から出るホルモンは、このように体内の様々な臓器に運ばれ、人体の若さをキープするための指令を送っているのです。骨ホルモンは、いわゆる若さを保つ司令塔です。
ところが骨量が減り、骨が健康でなくなるとこれらの若返りホルモンがどんどん減っていきます。
体は一気に「老化現象」が進みます。
具体的に臓器はどうなっていくのでしょうか。
脳では、記憶力が悪くなり、物忘れや認知症などを引き起こします。
筋力は衰え、歩くこともままならなくなります。
免疫力も減少し、たやすく体調を壊してしまいます。
精巣では、男性ホルモンが少なくなり、精子の数も減り、生殖能力が衰えていきます。
他にも様々な臓器で負の連鎖が起こります。
骨からのホルモンが分泌されなくなると、こんな風に恐ろしい現象が起こるのです。
少し前までは骨は単なる「体を支える硬いもの」、というイメージでしたが最近では
「全身の臓器を若く保つ重要なな司令塔」であることが分かってきました。
今できること
まずは丈夫な骨を保つこと。
そのためには良質なタンパク質を取り入れることが大切です。
またサプリメントなども上手に利用しましょう。
また、日常生活で無理のない運動をとりいれて骨に刺激を与えましょう。
ウォーキングやかかと落としなどがおすすめですが、すでに骨密度が低い方などは医療機関に相談しながら運動をしてください。